著明なV型高脂血症を伴った発疹性黄色腫の1例

  • 馬渕 智生
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)
  • 赤坂 江美子
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)
  • 梅澤 慶紀
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)
  • 太田 幸則
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)
  • 飯塚 万利子
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)
  • 松山 孝
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)
  • 小澤 明
    東海大学医学部医学科専門診療学系 (皮膚科)

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Eruptive Xanthoma with Severe Type V Hyperlipidemia

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抄録

42歳, 男性。初診の約10日前に右前腕に丘疹が出現し, 約5日程度で急速に全身に拡大したため, 2002年9月6日, 当科を受診した。黄紅色調の丘疹が肘頭, 膝蓋部を中心に, ほぼ全身に散在していた。なお, 25歳頃発症の統合失調症にて他院精神科に通院加療していた。臨床検査では, 血清トリグリセリド 12080 mg/dl, 総コレステロール 1080 mg/dl, カイロミクロン (++), LDL 1900 mg/dl, VLDL 3500 mg/dl, グルコース 420 mg/dl, HbA1C 16.5%, 尿糖 (+++)。病理組織学的所見では, 真皮上層から中層にかけて, 泡沫細胞の浸潤および軽度の血管周囲性組織球浸潤が認められた。以上の所見より, V型高脂血症および糖尿病に伴う発疹性黄色腫と診断した。食事療法, ベザフィブラート 400 mg/day内服, インスリンを導入し, 約7カ月後に丘疹はほぼ消退した。自験例が著明なV型高脂血症を伴った理由として, 抗精神病薬の影響に加え, 統合失調症に伴う生活習慣の異常を考えた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 66 (2), 135-137, 2004

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (8)*注記

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