IgG4関連疾患の病因―分子生物学的アプローチ―

DOI
  • 坪井 洋人
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 飯塚 麻菜
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 高橋 広行
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 浅島 弘充
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 廣田 智哉
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 近藤 裕也
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 中井 雄治
    東京大学大学院農学生命科学研究科 弘前大学食料科学研究所
  • 阿部 啓子
    東京大学大学院農学生命科学研究科
  • 田中 昭彦
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野
  • 森山 雅文
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野
  • 中村 誠司
    九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座顎顔面腫瘍制御学分野
  • 吉原 俊雄
    東京女子医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
  • 松本 功
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)
  • 住田 孝之
    筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)

書誌事項

タイトル別名
  • Pathogenesis of IgG4-related disease-Molecular biological approaches

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抄録

<p>目的:IgG4関連疾患(IgG4-RD)とシェーグレン症候群(SS)の遺伝子発現を網羅的に比較し,疾患関連分子を明らかにする.<br>方法:IgG4-RD(N=5),SS(N=5),健常人(HC)(N=3)の口唇唾液腺(LSG)を用いてDNAマイクロアレイを行った.遺伝子発現パターンを主成分分析(PCA)で比較し,IgG4-RDとSSのペアワイズの比較から,発現変動遺伝子(DEG)を同定した.IgG4-RDで高発現していたDEGの中から,validation候補遺伝子を抽出し,定量PCR,免疫蛍光法によるタンパクレベルでの発現解析を行った.<br>結果:PCAでは,IgG4-RD,SS,HCは互いに異なるクラスターを形成した.IgG4-RDで相対的に高発現していたDEGを1321個,SSで相対的に高発現していたDEGを1320個同定した.定量PCRにおいて,リンパ球のケモタキシス,線維化誘導に関わるCCL18,ミルクに含まれ樹状細胞の成熟を誘導するLTFは,SSと比較してIgG4-RDのLSGで有意に高発現していた.IgG4-RDのLSGでは,SS・HCと比較して,CCL18のタンパクレベルでの高発現を認め,発現細胞はマクロファージ,樹状細胞,B細胞,形質細胞であった.<br>結論:IgG4-RDとSSの遺伝子発現パターンは異なり,IgG4-RDの疾患関連分子としてCCL18,LTFを見出した.</p>

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 29 (2), 128-139, 2017

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

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