後腹膜神経節細胞腫の1切除例

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  • Resection Case of Retroperitoneal Gangrlioneuroma: A Case Report

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抄録

症例は38歳,女性.2011年4月心窩部痛を主訴に当院受診.腹部超音波では膵体部背側,上腸間膜動脈右側に接して径30mm,境界明瞭で不整形のhypoechoic massを認めた.腹部MRIではT1WIで低信号,T2WIで一部淡い高信号を示し,腹部造影CTでは境界明瞭,内部濃度均一で軽度の遅延濃染を認めた.MIBGシンチグラフィでは集積を認めなかった.上部,下部消化管内視鏡検査では異常を認めず,胆囊内結石,総胆管結石も認めなかった.以上より後腹膜腫瘍,神経節細胞腫疑いで腫瘍摘出術を施行した.手術は腹腔鏡下手術で開始したが上腸間膜動脈との剝離が困難であり,開腹手術に切り替えた.摘出標本は35×20mmの境界明瞭な腫瘍であった.病理診断は,紡錘形細胞の増生が主体で散在性に神経節細胞が存在しており,神経節細胞腫の診断であり,明らかな悪性所見は認めなかった.術後1年で腫瘍の再発,心窩部痛の再燃は認めていない.神経節細胞腫は交感神経節由来の腫瘍で,比較的稀な疾患であるため文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (16)*注記

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