膵のIPMN様の病理形態を呈した粘液産生胆管腫瘍の1例

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タイトル別名
  • A case of mucin producing bile duct tumor resembling intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas

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説明

膵のIPMN様の病理形態を呈した粘液産生胆管腫瘍の1例を経験したので報告する. 症例は56歳, 男性. 1カ月前からの心窩部痛にて当院受診. 肝胆道系酵素の上昇を認めたが, 超音波検査, MRCPは異常なく, CTでは若干左肝内胆管拡張を認めた. 2カ月後の超音波検査, CTでは, 左肝内胆管の著明な拡張を認めた. DIC-CTでは左肝内胆管拡張と末梢に陰影欠損像を呈し, PTCでは左肝管の狭小化と陰影欠損像を認めた. 肝内胆管癌を疑い, 左葉切除を施行した. 摘出標本では左肝管が狭窄を呈し, 末梢に粘液塊を認めた. 組織学的には, 狭窄部胆管は低乳頭状増殖を呈する粘液産生性の異型上皮で裏打ちされ, 浸潤所見はなく, 良悪性境界領域病変とした. MUC1陰性, MUC2, MUC5ACは陽性で, MUC6は一部陽性であった. 組織形態とあわせると膵のIPMNの組織学的亜型のうちintestinal typeに相当する所見であった.

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 22 (4), 518-523, 2008

    一般社団法人 日本胆道学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (16)*注記

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