誘導結合プラズマ質量分析法による固体試料直接定量分析のための新しいレーザーアブレーションシステムの開発

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タイトル別名
  • New Laser Ablation System for Quantitative Analysis of Solid Samples by ICP-MS
  • ユウドウ ケツゴウ プラズマ シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル コタイ シリョウ チョクセツ テイリョウ ブンセキ ノ タメ ノ アタラシイ レーザーアブレーション システム ノ カイハツ

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抄録

誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)装置を用いた金属材料の高感度な直接分析を目的として,新たなレーザーアブレーション(LA)システムを開発した.装置は繰り返し周波数の高いQスイッチレーザーと,試料表面の適切な大きさの領域に対して隙間なくビームの集光スポットを走査させるための2枚のスキャンミラーを基本構成とする.この方法で,同一領域に対してレーザー照射を何度も繰り返すことにより,気化微粒子の選択蒸発を解消した.0.6 Wの平均出力で鉄鋼試料にレーザーを照射し,生成微粒子をICP-MSに導入した場合に検出されるFeのイオン強度とその変動は,500 μg/mlの鉄鋼溶解試料を噴霧法で導入した場合とほぼ同等のレベルであった.NIST製の鉄鋼認証標準物質を用い,開発したLA-ICP-MSの分析特性を溶液ICP-MSと比較した.ほとんどの元素について,Feとのイオン強度比と濃度の相関係数は0.99以上であり,繰り返しの分析精度も良好であった.開発したLA-ICP-MSでは,高純度鉄中のppmレベルの含有成分をおおむね3% 以下の相対標準偏差で分析することができ,多くの元素について検出下限は数十ppb以下であった.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 55 (4), 229-236, 2006

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (20)*注記

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