電気浸透流を抑制した一時的等速電気泳動/キャピラリーゾーン電気泳動法による海水中のリン酸イオンの定量

書誌事項

タイトル別名
  • Determination of Phosphate in Seawater by Transient Isotachophoresis/Capillary Zone Electrophoresis with Suppressed Electroosmotic Flow
  • デンキ シントウリュウ オ ヨクセイ シタ イチジテキ トウソク デンキ エイドウ キャピラリー ゾーン デンキ エイドウホウ ニ ヨル カイスイチュウ ノ リンサン イオン ノ テイリョウ

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説明

著者らは,海水中のリン酸イオンを定量するために,オンライン濃縮法として一時的等速電気泳動(TITP)を利用し,検出法として間接吸光法を用いたキャピラリーゾーン電気泳動法(CZE)を開発した.泳動液(BGE)中の間接吸収剤として,2,6-ピリジンジカルボン酸(PDC)を使用した.また,TITPの効果を有効に利用するために,電気浸透流(EOF)をできるだけ抑制し,分析目的成分ゾーンの拡散を防ぐ目的でBGE中にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を添加した.海水中の低濃度リン酸イオンを高濃度塩化物イオンや硫酸イオンから分離し,高感度に検出するために,種々の分析条件について検討した.その結果,以下のような最適条件を確立した: BGE,0.01% HPMCを含む5 mmol/l PDC(1 mol/l水酸化ナトリウムでpH 3.5に調整); 検出波長,200 nm; 試料吸引(5 in. Hg)時間,1秒(注入量約21 nl); ターミナルイオン溶液,500 mmol/l 2-(N -モルホリノ)エタンスルホン酸(MES,1 mol/l水酸化ナトリウムでpH 4.0に調整); ターミナルイオン溶液吸引時間,30秒(約630 nl); 印加電圧,15 kV(試料吸引側を陰極).海水中のリン酸イオンは,約15分で検出され,検出限界(LOD,S/N = 3)は32 μg/l(PO43−-P),ピーク面積,ピーク高さ,泳動時間の相対標準偏差(RSD,0.4 mg/l PO43−-P,n = 8)はそれぞれ2.1,2.3,0.81% であった.本法を表面海水試料中のリン酸イオン分析に応用した.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 55 (9), 627-634, 2006

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (69)*注記

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