書誌事項

タイトル別名
  • On-site Detection Method for Biological and Chemical Warfare Agents
  • セイブツ カガクザイ ノ ゲンバ ケンチホウ

この論文をさがす

抄録

炭疽菌等の生物剤やサリン等の化学剤が用いられる生物化学テロの事前・事後管理への対処において現場で実施されるモニタリングや検知は,テロ発生の抑止や被害の最小化のために必要である.この現場検知に要求される測定資機材の性能は,生物化学剤の致死濃度・最小感染量,及び毒性発現・発症時間に大きく影響される.本研究では,市販の現場検知資機材である検知紙,ガス検知管,炎光光度検知器,光イオン化検知器,イオンモビリティスペクトロメーター,表面弾性波検知器,フーリエ変換赤外吸収スペクトロメーター,質量分析計,アデノシン5'-三リン酸(ATP)生物発光測定キット,フローサイトメーター,免疫ストリップに関して,実剤又は擬剤を用いて検知性能を検証した.その結果,検知可能な生物化学剤の種類,検知感度,検知精度,応答時間,操作性等に関して要求される性能をすべて満たす検知資機材はなかった.ガス性化学剤の検知性能に優れるテープ光電光度法装置,揮発性及び難揮発性化学剤の高感度連続検知・特定が可能な逆流型大気圧化学イオン化質量分析装置,並びに糖鎖を分子認識素子とし生物毒素を特異的に検知するバイオセンサーなどを従来の検知資機材と組み合わせて活用することにより,現場で漏れなく一斉かつ迅速に生物化学剤の検知が可能になると思われる.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 55 (12), 891-906, 2006

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (13)*注記

もっと見る

参考文献 (96)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ