高齢者における前縦隔神経芽腫の一例

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  • A case of neuroblastoma of the anterior mediastinum in an 81-year-old woman

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抄録

症例は81歳女性.2001年7月胸部異常陰影を指摘され,当科を紹介された.胸部CTにて上行大動脈左壁に接する腫瘤陰影,および上行大動脈右壁に接する腫瘤陰影を認めた.腫瘍マーカーでは,NSE=11.7ng/ml(cut off値=10.0ng/ml)のみ高値を示した.前縦隔腫瘍の診断で2002年1月左右の前縦隔腫瘍摘出術および拡大胸腺摘出術を行った.右前縦隔の腫瘍には壊死組織のみで悪性所見は認められなかった.左前縦隔の腫瘍には神経線維基質を伴った円型の細胞が数珠状に配列しているのが認められた.神経系免疫染色に陽性を示し神経芽腫,Ewing肉腫,未熟神経外胚葉性腫瘍(=primitive neuroectodermal tumor,以下PNET)など神経原性腫瘍と考えられた.MIC-2染色には陰性を示したことから,Ewing肉腫およびPNETは否定的であり,81歳と高齢ではあるが神経芽腫であると考えられた.計46Gyの放射線治療を術後に追加したが,左胸腔内へ再発および多発骨転移のため術後約4年後に死亡した.

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