輸液フィルターのエンドトキシン除去能についての検討

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Infusion Filter for Removing Endotoxin

説明

輸液フィルターのエンドトキシン除去能について検討した. 輸液フィルターELD-96LLは生理的食塩水中で一夜培養して得た肺炎桿菌由来エンドトキシンを除去したが, 大腸菌由来エンドトキシン標準品 (0111: B4) は除去しなかった. FAE-020ALは両エンドトキシンを除去できなかった. ELD-96LLでいったん除去されたエンドトキシンは生理的食塩水の管注では遊離されないが, 10%食塩水の管注で遊離し排出した. 肺炎桿菌はラクトリンゲル中で増殖しエンドトキシンを産生したが, 5%ブドウ糖, 生食, パレメンタールA, ハイカリック中では増殖を認めず, エンドトキシンも産生されなかった.大腸菌はラクテック, 5%グルコースで増殖したが, 生食中では増殖は認められなかった.両フィルター上に103個の肺炎桿菌をトラップさせてフィルターを通過したエンドトキシンを経時的に測定すると, 5日間ではほとんど認められなかった. 大腸菌ではFAE-020ALで24時間以降よりエンドトキシンの通過が認められたが, ELD-96LLでは72時間以降より認められた. このことからELD-96LLでは従来のフィルターで勧められている1日ごとの交換から延長して3日ごとの交換で良い可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 環境感染

    環境感染 5 (2), 31-37, 1990

    日本環境感染学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679413270016
  • NII論文ID
    130001738667
  • DOI
    10.11550/jsei1986.5.2_31
  • ISSN
    18842429
    09183337
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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