発達障害におけるイメージの曖昧さ

DOI
  • 畑中 千紘
    京都大学こころの未来研究センター上廣こころ学研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Ambiguity of Images Produced by Pervasive Developmental Disorder Patients
  • “Uncertain Response” in the Rorschach Test
  • ロールシャッハ・テストにおける「不確定反応」から

抄録

本研究は,ロールシャッハ・テストを素材に発達障害のイメージのあり方の特徴を描き出そうとするものである。予備的分析の結果,反応の中核をなす概念が不確定である「不確定反応」が発達障害のイメージの特徴として導き出された。「不確定反応」の出現個数について147名の発達障害群,49名の神経症群,47名の大学生群のデータについて検討した結果,発達障害群に有意に多くみられることが明らかとなった。「不確定反応」の曖昧さには広いバリエーションが示されたが,これは彼らの夢や語りにも共通していることが指摘された。また,「不確定反応」に示されるイメージの曖昧さは,対象に焦点を合わせるための主体が不明瞭で,視座が不安定になるためと考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679449105792
  • NII論文ID
    130004562203
  • DOI
    10.11377/sandplay.26.29
  • ISSN
    2186117X
    09163662
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ