サル類における結核症の臨床

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  • Clinical Management of Tuberculosis Infection in Nonhuman Primates

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サル類での結核症は種によって感受性に差が有り,マカク類などの旧世界ザルは感受性が高いとされている。京大霊長類研究所においては,1971年〜1984年の間に計32例のオナガザル類の結核菌感染に遭遇した。これらの内1971年には,検疫期間中の,また検疫終了後に通常飼育されていたアカゲザル21頭に集団発生し,組織病理学および細菌検索により結核症であることが確認された。この集団発生は2度にわたる保菌個体の導入によるものであった。また,1985年には,検疫中のチンパンジーとオランウータンがツベルクリン皮内反応擬陽性〜陽性を示した。この2頭では胸部X線像や血液・血清化学検査値での特異的所見や咽・喉頭,気管粘液や胃洗浄液の菌検索では排菌は認められなかった。外見上の臨床症状も見られなかったが,オランウータンの腋窩リンバ節が腫服しており,結核菌感染が疑われた。そのため,この2頭に対して1年間の抗結核剤の経口投与が行われ,結核菌感染の制圧が可能であった。また,これらの類人猿は導入以前に,当時結核症であった2名の飼育担当者から感染を受けていたことが推測された。

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