溶媒抽出法を用いた使用済み無電解ニッケルめっき液からのニッケルリサイクルに関する研究

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タイトル別名
  • Nickel Recycling from Spent Electroless Nickel Plating Baths Using Solvent Extraction
  • ヨウバイ チュウシュツホウ オ モチイタ シヨウズミ ムデンカイ ニッケルメッキ エキ カラ ノ ニッケルリサイクル ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

使用済みの無電解ニッケルめっき液(使用済み液)からニッケルを回収しリサイクルする技術が求められている.本稿では,筆者らが研究してきた,溶媒抽出法を適用した技術を紹介する.バッチ実験の結果に基づき,まず酸性有機リン抽出剤であるPC88Aを用いて使用済み液中の不純物である鉄や亜鉛を選択的に除去し,その後pHを6付近に上げて,キレート試薬であるLIX84Iに少量のPC88Aを加速剤とした有機相を用いてニッケルを抽出し,得られる有機相を1–2 mol/dm3の硫酸で逆抽出することにより,ニッケルを硫酸ニッケル溶液として回収し,めっき工程で再使用するプロセスを開発した.向流多段操作の実験も行い,高効率でニッケルを回収できることを確認し,めっき工場において実用に供することができた.まためっき液中の不純物や副生成物を除去することによるめっき液長寿命化の研究も併せて行ったところ,アルミ表面へめっきする際に用いるストライクめっき液に蓄積する亜鉛を,酸性有機リン抽出剤を用いて選択除去し,ストライクめっき液の寿命を3–5倍に延ばすプロセスを確立した.

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