グルコースとアンモニアの反応生成物に関する化学的研究(第1報)

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タイトル別名
  • Chemical Studies on the Reaction Products of Glucose and Ammonia. Part I
  • Several Changes of Glucose in Aqueous Ammonia
  • グルコースのアンモニア水溶液中に起る諸変化

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説明

グルコースをアンモニア水に溶解,加熱すると,グルコースは一部が異性化してフラクトース及びマンノースに変化する.同時にグルコースとアンモニアの縮合により,グルコシルアミン及びジグルコシルアミソが生成する.また少くとも8種のイミダゾール化合物が検出されたことから,グルコースは一旦分解して種々のα-ジケトン及びアルデヒドに変化することが推定できる.さらに乳酸の検出されたことからアンモニア水溶液中でグルコースが三炭糖及びメチルグリオキサールに分解することが推察できる.つぎに,グルコースのアンモニア水溶液を加熱すると,時間の経過に伴ってグルコース及びアンモニアが急激に減少し,代って着色度が急増してくる. G-A反応液中に生成した色素はC12H24N2O9の実験式を有し,糖の骨格の一部を保持していることが推察できた.<br> G-A反応液中のイミダゾール化合物の生成量はアンモニア/グルコースのモル比を増加するに従って直線的に増加するが,着色度は該モル比の増加に伴い一旦増加し,一定のモル比のところで極大値に達するが,それ以上のモル比では減少していく. G-A反応液中の着色反応とイミダゾール化合物生成反応は互に独立したものであると推察した.

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