グルコースとアンモニアの反応生成物に関する化学的研究(第1報)
-
- 河本 正彦
- 兵庫農科大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Chemical Studies on the Reaction Products of Glucose and Ammonia. Part I
- Several Changes of Glucose in Aqueous Ammonia
- グルコースのアンモニア水溶液中に起る諸変化
この論文をさがす
説明
グルコースをアンモニア水に溶解,加熱すると,グルコースは一部が異性化してフラクトース及びマンノースに変化する.同時にグルコースとアンモニアの縮合により,グルコシルアミン及びジグルコシルアミソが生成する.また少くとも8種のイミダゾール化合物が検出されたことから,グルコースは一旦分解して種々のα-ジケトン及びアルデヒドに変化することが推定できる.さらに乳酸の検出されたことからアンモニア水溶液中でグルコースが三炭糖及びメチルグリオキサールに分解することが推察できる.つぎに,グルコースのアンモニア水溶液を加熱すると,時間の経過に伴ってグルコース及びアンモニアが急激に減少し,代って着色度が急増してくる. G-A反応液中に生成した色素はC12H24N2O9の実験式を有し,糖の骨格の一部を保持していることが推察できた.<br> G-A反応液中のイミダゾール化合物の生成量はアンモニア/グルコースのモル比を増加するに従って直線的に増加するが,着色度は該モル比の増加に伴い一旦増加し,一定のモル比のところで極大値に達するが,それ以上のモル比では減少していく. G-A反応液中の着色反応とイミダゾール化合物生成反応は互に独立したものであると推察した.
収録刊行物
-
- 日本農芸化学会誌
-
日本農芸化学会誌 36 (4), 305-310, 1962
公益社団法人 日本農芸化学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679510712576
-
- NII論文ID
- 130001230478
-
- COI
- 1:CAS:528:DyaF3sXkvVantrs%3D
-
- ISSN
- 18836844
- 00021407
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可