居住環境の保全性を目的とした中高層分譲マンションの管理サーヴィス水準の適正化に関する研究
書誌事項
- タイトル別名
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- A study on rationalization of levels of maintenance services for owner-occupied flats of middle high-rise housings for preservation of agreeable living environment
抄録
この研究は,維持管理費に対する居住者の意識は,主としてどのような要因が関係しているかを居住者への意識調査によりその構造を明らかにすることを目的としている。調査対象の住宅は,関西の民間分譲共同住宅15カ所で,昭和43年から昭和55年に竣工した家族向きのタイプである。調査は居住者にⒶ対象家庭の概要,Ⓑ居住者の意識等の留置自記法でアンケート調査を行ない,また各住宅の管理人と管理組合理事長にⒶ管理形態,Ⓑ管理で困っていること等の聞き取り調査を行なった。調査の時期は,昭和59年から昭和61年で,対象住戸数は3154件,うち回収数は1088件で回収率は平均40%である。居住者の意識調査の結果をまとめると次のとおり。①住宅の選定理由は,場所・価格・間取り・管理の順で多く,場所を重視するのは賃借人に多く,価格を重視するのは区分所有者に多い。②永住意識は,新築入居の人の方が途中入居の人より高い。区分所有者は永住意識が高い。住宅に満足している人や家族人数は少なくて,世帯主年齢の高い人ほど,永住意識は高い。③住宅への満足度は,高い順に区分所有者・賃借人・社宅居住者である。永住意識があり,高年齢層になるはど満足度が高くなっている。④住まいの管理については,高年齢層ほど,また子供のいない家廷ほど,よくしているという意識がある。また専業主婦の方が管理をよくしていると思っている。⑤管理費をちようどよいと思っているのは,区分所有者に多くて,居住年数が長く,永住意識のある高年齢層の人に多い。⑥修繕積立金をちょうどよいと思っているのは,区分所有者に多く,居住年数が長く,住宅に満足している人に多い。管理費と同じように意識されている。⑦管理費・積立金に対する高い,安いという居住者の意識は,実際の徴収額と必ずしも関係がない。
収録刊行物
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- 住宅総合研究財団研究年報
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住宅総合研究財団研究年報 18 (0), 393-403, 1992
一般財団法人 住総研
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679524583936
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- NII論文ID
- 130006730288
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- ISSN
- 24239879
- 09161864
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可