高機能広汎性発達障害児の階層的情報処理に対する拡大刺激、縮小刺激の効果

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Stimulus Size on the Processing of Hierarchical Information by Children With High Functioning Pervasive Developmental Disorders
  • コウキノウ コウハンセイ ハッタツ ショウガイジ ノ カイソウテキ ジョウホウ ショリ ニ タイスル カクダイ シゲキ 、 シュクショウ シゲキ ノ コウカ

この論文をさがす

抄録

広汎性発達障害(以下PDD)の視覚的情報処理は、局所処理優位傾向であることが示唆されてきた。本研究では、この傾向が提示刺激サイズにかかわらず起きるか否かを確認することを目的とした。8名の高機能PDD児と18名の典型発達(以下TD)児に対し、数字の階層刺激を用いたストループ課題を実施した。その結果、高機能PDD児では大きな数字を回答する全体課題において不一致刺激の正答率の低下、中立刺激の反応時間の遅延といったストループ効果がみられ、局所優位の情報処理を行っていることが示された。一方、TD児では小さな数字を回答する局所課題において中立刺激、不一致刺激の反応時間の遅延がみられ、全体優位の情報処理を行っていることが示された。これらの結果は、提示刺激サイズを変化させても反応パターンは変わらなかった。このことから、高機能PDD児における局所優位処理、TD児における全体優位処理は刺激サイズには依存しないことが示唆された。

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 51 (1), 1-10, 2013

    一般社団法人 日本特殊教育学会

参考文献 (16)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ