ビタミンCの各種定量法

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タイトル別名
  • ビタミン C ノ カクシュ テイリョウホウ

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説明

ビタミンCは,他のビタミンに比し構造も比較的簡単であり,ビタミンの理化学的定量法中もっとも早く発達し,かつもっとも完成されたものといってよい.現在,動物試験法は特殊の場合のほかは行われず,もっぱら理化学的定量法が用いられている.還元型ビタミンC(AA*)は緩和な酸化剤により酸化型ビタミンC(DAA**)になり,DAAは硫化水素などにより容易に還元されてAAにもどる.このように,酸化還元可逆反応が容易におこることは生理的にも重要な意義をもっているが,このことは定量にも応用される.DAAはさらにラクトン環の開環によりジケトグロン酸(DKG)となり,さらに修酸,スレオン酸などに分解する.DAAはC効力を有するが,DKGになるとC効力を示さず,硫化水素によっても還元されない.天然品中には通常AA,DAAが共存し,ともにC効力を有するので,定量の際は両者ともに測定する必要がある.この和を総Cとよぶ.AA,DAAの定量に関する報告はきわめて多いが,以下,主要な定量法の紹介,解説を中心に述べることにする.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 8 (8), 536-542, 1959

    公益社団法人 日本分析化学会

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