炭酸ランタン水和物がMRIに及ぼす影響

  • 山室 修
    名古屋共立病院 東名古屋画像診断クリニック 金沢大学大学院医薬保健学総合研究科
  • 宮地 利明
    金沢大学大学院医薬保健学総合研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of lanthanum carbonate hydrate on magnetic resonance images
  • タンサン ランタン スイワブツ ガ MRI ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p>リンの吸収阻害作用を有する炭酸ランタン水和物は, 腸間膜リンパ節や胃粘膜, 骨への沈着の報告がある. ランタンは磁気共鳴画像 (MRI) の主な造影剤である常磁性金属のガドリニウムと同じランタノイド族であるが, MRIに及ぼす影響については完全に明らかにされていない. 1.5 Tと3.0 TのMRIにおいて, 0, 0.001, 0.003, 0.01, 0.03, 0.1, 0.3および1.0mol/Lの炭酸ランタン水和物を, スピンエコー法とグラディエントエコー法を使用して撮像した. 取得したMRIのアーチファクトを評価するとともに, 1/T1, 1/T2, 1/T2*を求めた. 炭酸ランタン水和物によるアーチファクトは, すべての実験条件において認められなかった. 1.5 T, 3.0 Tともに炭酸ランタン水和物濃度は1/T2, 1/T2*に相関したが (p<0.05), 1/T1の違いはわずかであった. 炭酸ランタン水和物によってT2およびT2*が短縮するため, 一定濃度以上になれば信号強度を低下させるがT1に影響しない.</p>

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参考文献 (12)*注記

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