唾液内のデキストラン分解
書誌事項
- タイトル別名
-
- Degradation of dextran in incubated human saliva
この論文をさがす
説明
デキストランは唾液中では分解されないものと従来考えられている。しかし, 唾液にデキストランを添加 (100mg/100ml) してインキュベートすると, pHの低下が起こる。これはデキストランの分解を示唆するが, 乳酸は検出されなかった。そこでデキストランの分解を総糖量 (totalsugar) の変動で追究したところ, 明らかな減少が認められ, インキュベーション48時間でほとんど消失した。すなわち, デキストランは唾液内で確かに分解されるのである。ただし, その分解はかなり遅いので, 生成された還元糖や乳酸はすぐさまさらに代謝されてしまい, 検出されにくいのであろう。<BR>ところで, デキストランが分解されるときは, イソマルトースを経るものと考えられる。そこでイソマルトース添加唾液をインキュベートしたところ, 乳酸が少し検出された。またデキストランの添加濃度を高く (300mg/100ml) しても, 乳酸の検出が可能になった。
収録刊行物
-
- 歯科基礎医学会雑誌
-
歯科基礎医学会雑誌 16 (2), 266-274, 1974
歯科基礎医学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282679658265216
-
- NII論文ID
- 130003814839
-
- ISSN
- 03850137
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可