FDG-PETにて異常集積を認めた,肺内malignant solitary fibrous tumor(MSFT)の1例

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タイトル別名
  • A Case of Intrapulmonary Malignant Solitary Fibrous Tumor with Abnormal Uptake on FDG-PET

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説明

背景.孤立性線維性腫瘍(solitary fibrous tumor,SFT)は胸膜発生が多く肺内のSFTは稀である.今回,FDG positron emission tomography(FDG-PET)にて異常集積を認めた肺内の悪性孤立性線維性腫瘍(malignant solitary fibrous tumor,MSFT)の症例を経験したので報告する.症例.77歳,男性.COPDの経過観察中に胸部異常陰影を指摘され,腫瘤陰影の増大のため当科紹介となった.胸部CT上,右S4に境界明瞭な腫瘍を認めた.FDG-PETでは,右S4の腫瘍に一致してmaximal standardized uptake value(SUV-max)が7.35の集積を認めた.CT下生検では間葉系の組織であり診断に至らず,FDG-PETの所見より悪性腫瘍を疑い,胸腔鏡下右中葉切除術を施行した.病理組織学的所見は,紡錘形の異型細胞の増殖よりなり,細胞密度が高く,核の多形性があり10高倍視野に4個以上の核分裂像を認めた.免疫染色ではCD34が一部に陽性,ビメンチン陽性,サイトケラチンが陰性でありMSFTと診断した.結論.PETで異常集積を示す,肺内MSFTの症例を経験した.診断にはCD34などの免疫染色が有用であった.<br>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 48 (1), 51-55, 2008

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (10)*注記

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参考文献 (23)*注記

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