条虫相からみた北海道および佐渡のキクガシラコウモリ科コウモリの分布について

書誌事項

タイトル別名
  • On the Distribution of Rhinolophidae Bats in Hokkaido and Sado from the Standpoint of Their Cestode Fauna
  • ジョウチュウソウ カラ ミタ ホッカイドウ オヨビ サド ノ キクガシラコウモ

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説明

1.北海道ならびに佐渡地方の洞穴棲コウモリの内部寄生虫相を明らかにし,主として条虫のhostparasite relationshipの面からこれらの地方に生息するキクガシラコウモリと日本各地のそれとの関連性を明らかにした。2.北海道の日本海側に位置する刀掛岩洞窟ならびに義経洞窟に生息するコウモリにはH. rashomonensisが寄生し,後者のコウモリの中には新種であるR. hattoriを宿すものもいた。一方,津軽海峡に面する函館市のアナマ岩洞窟のコウモリにはV. ogaensisが寄生していた。3.佐渡の銅鉱山廃坑および竜眼の池洞窟のコウモリにはH. rashomonensisが寄生し,後者のコウモリの中にはV. ogaensisおよびI. yoshidaiを宿しているものもいた。4.以上の条虫相から北海道の日本海側に位置する洞窟のキクガシラコウモリは日本の比較的広い範囲にわたって分布するコウモリと関連性のあるものと他の地区との関連性が殆んど考えられない北海道固有のコウモリとが同居しており,津軽海峡に面したアナマ岩洞窟のコウモリは東北地方の日本海側の諸県に分布するコウモリとの関連性があることが判明した。

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