マツカワ <I>Verasper moseri</I> から分離したスクーチカ繊毛虫の食酢・茶抽出物に対する感受性

書誌事項

タイトル別名
  • Identification and evaluation of the pathogenicity of a scuticociliate isolated from diseased barfin flounder <I>Verasper moseri</I> and sensitivity of a pathogen isolate to vinegar and tea extract solutions in sea water
  • マツカワ Verasper moseri から分離したスクーチカ繊毛虫の食酢・茶抽出物に対する感受性
  • マツカワ Verasper moseri カラ ブンリ シタ スクーチカ センモウチュウ ノ ショクズ ・ チャ チュウシュツブツ ニ タイスル カンジュセイ

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説明

マツカワ稚魚にスクーチカ繊毛虫によると考えられる死亡が発生したため,魚類培養細胞で分離した繊毛虫の病原性と食酢および茶抽出物の殺虫効果を調べた。分離した繊毛虫は PCR 法で M. avidus と同定された。SSN-1 細胞で培養した虫体を用い,マツカワ稚魚への浸漬感染試験と腹腔内接種による感染試験を行い,経過観察した。浸漬感染試験では感染が成立しなかったが,腹腔内接種による感染試験では7日間で全数死亡し,繊毛虫が再分離されたため,本種がマツカワ稚魚に対して病原性を有することが確認された。海水に懸濁した培養虫体を食酢または茶抽出物に曝露し,虫体生存数を MPN 法で測定した。虫体生存数は0.7%食酢または0.01%茶抽出物に30分曝露すると検出限界以下になった。0.01%茶抽出物はマツカワに毒性を示したが,0.7%食酢の影響はほぼなかったことから,実験室レベルでは0.7%食酢に30分曝露することが有効な防除手段と考えられた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 63 (3), 255-259, 2015

    日本水産増殖学会

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