気管支脂肪腫の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Bronchial Lipoma

この論文をさがす

説明

本邦で12例目にあたる極めてまれな気管支脂肪腫の1例を経験したので報告する。症例は59歳の男, 十二指腸平滑筋肉腫術後の経過観察中, 血痰があり, 胸部X線像で左下肺野にbronchiectasis pseudotumoralesの所見を認めた。気管支鏡で左B^<10> b, cは円形腫瘤により閉塞され, その鉗子生検では悪性所見なく, 気管支の良性腫瘍と診断した。すでに十二指腸平滑筋肉腫の肝転移が著しいため, 過大な手術侵襲を避け, endoscopic YAG laser surgeryで, 可能な範囲の腫瘤を気化, 昇華した。末梢への気道開通により, 血痰や腫瘤状陰影は消失したが, 5カ月後に肝不全で死亡した。剖検により遺残した腫瘍の組織所見から気管支脂肪腫と診断した。

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 7 (3), 318-322, 1985

    日本呼吸器内視鏡学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ