「にんにく卵黄」による薬剤性肺障害と考えられた1例

  • 鈴木 慎太郎
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門 イェテボリ大学クレフティングリサーチセンター
  • 田中 明彦
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 岸野(大木) 康成
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 村田 泰規
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 楠本 壮二郎
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 石田 博雄
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 安藤 浩一
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 白井 崇生
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 大西 司
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 相良 博典
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門
  • 瀧本 雅文
    昭和大学医学部臨床病理診断学講座

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Drug Induced Lung Injury Considered to Be Caused by a Supplement "Nin-niku Ran-ou (Garlic and Egg Yolk) "

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説明

背景.数多くの健康食品が販売されており,医薬品と併用している場合も少なくない.なかでも滋養強壮を謳った「にんにく卵黄」は盛んに広告されており,愛飲者も相当数が見込まれる健康食品である.症例.69歳男性.4年前から「にんにく卵黄」を服用し続けていた.数週間前から労作時の呼吸困難と乾性咳嗽を自覚し,近医で肺炎の診断にて抗菌薬と副腎皮質ステロイドを投与されるも改善せず,当科を紹介受診した.胸部X線およびCT上,両側中下肺野,末梢側優位のすりガラス影を認めた.気管支肺胞洗浄液でリンパ球優位の細胞増加を認め,気管支肺生検ではリンパ球主体の炎症と軽症の器質化肺炎様の所見を認めた.「にんにく卵黄」の服用中止により速やかに改善し,リンパ球刺激試験でも同商品で陽性反応を示したため,同食品による肺障害を強く疑った.結論.健康食品やサプリメントの摂取歴についても,問診で詳細に聴取することが大変重要である.

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 38 (2), 118-124, 2016

    日本呼吸器内視鏡学会

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