アッシャー症候群の5症例

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  • Clinical evaluation and genetic testing of five patients with Usher syndrome

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抄録

アッシャー症候群は感音難聴と網膜色素変性症 (以下RP) を伴う遺伝性疾患である。原因不明両側感音難聴にRPを合併する本疾患5症例に対し、聴覚及び平衡機能検査、遺伝子検査を施行した。臨床症状からタイプ分類すると、重度難聴を呈し平衡機能検査で両側前庭機能低下を示した2症例はタイプ1、また先天性中等度難聴を呈する2症例はタイプ2と考えられた。中年以降に聴力の進行を認めた症例はタイプ3と考えられた。遺伝子検査ではタイプ1の2症例にMYO7A 変異を同定し、臨床症状と矛盾しない結果が得られた。同変異の1症例は人工内耳埋め込み術後例で、後日RPが判明した。このようにアッシャー症候群では聴覚障害が先行し、遅れてRP症状が出現するため、先天性難聴例においては、夜盲などのRP初期症状の有無について留意する必要がある。本疾患の確定診断には遺伝子検査が有用と考えられた。

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