ステリグマトシスチンの発癌性に関する新しい知見
書誌事項
- タイトル別名
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- Carcinogenicity study of sterigmatocystin in mice
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説明
ステリグマトシスチン(以下Stgと略)の発癌性については,わが国における食品衛生上の意義からの注目と平行して,最近あらためて実験的な追求がおこなわれ,その結果,表1に示すようにラットやメダカに強力な肝癌形成能を示すことが確認され,またモルモットに対しては強い毒性を示すことが確認されている.一方マウスでは新生仔期を除き,毒性,発癌性に対する感受性の乏しいことが報告されていた.今回,われわれは雌マウス(BDF1)に比較的大量のStgを長期経口投与した結果,下記の如く肝のみでなく背部皮下などに高率の血管内皮腫,血管肉腫の発生を観察した.特に背部皮下の褐色脂肪組織からの血管肉腫の実験的発生は興味深い.肝の血管肉腫については,ヒト,ラット,マウスなどにニトロソアミン,塩化ビニール,クロロアニリン,トロトラストなどによる報告,経口避妊薬,アンドロジェンによるpeliosis hepatisの発生が知られているが,マイコトキシンにより高率のこれら変化を生じたことは注目される.
収録刊行物
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- マイコトキシン
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マイコトキシン 1980 (12), 20-22, 1980
日本マイコトキシン学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679762647552
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- NII論文ID
- 130003660222
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- ISSN
- 18810128
- 02851466
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可