卵巣奇形腫の手術 : 両側例における卵巣温存手術と内分泌機能について

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  • Hormonal Evaluation of an Ovary-Conserving Operation in a Patient With Bilateral Teratomas of the Ovary

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抄録

小児卵巣奇形腫に対する腫瘍摘出術の卵巣機能温存効果を内分泌学的に評価することは, 一般に片側例では対側の機能代償のため困難である.今回, 異時性両側性卵巣奇形腫の1例を経験したのを機に腫瘍摘出後の卵巣機能を内分泌学的に検討し, 腫瘍摘出術の卵巣機能温存効果の評価を行った.両側手術後の血中黄体形成ホルモン(LH), 卵胞刺激ホルモン(FSH), エストラディオール(E_2)はいずれも正常範囲内であり, LH-RH刺激試験においても思春期レベルの反応がみられた.また, 血中のE_2値は術後も徐々に増加し, 二次性徴の進行および性器出血(生理)の開始が認められた.組織学的には腫瘍側の卵管付着部に卵胞を含む卵巣組織が認められたため, 卵管側に残存した卵巣組織により卵巣機能が温存されたものと考えられた.良性の小児卵巣奇形腫に対する腫瘍摘出術は卵巣機能の温存に有効な方法と考えられる.

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