書誌事項
- タイトル別名
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- MARCHIAFAVA-BIGNAMI DISEASE—A CLINICAL STUDY
- Marchiafava Bignamiビョウ ノ リンショウテキ ケントウ
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抄録
Marchiafava-Bignami病 (以下, MBD) 自験8症例において, 急性期および慢性期の症候と病巣について検討した.8例中6例は意識障害にて発症し, 慢性期に構音障害と半球離断症候を呈し, 画像検査にて脳梁に限局した病変を認めた.これらは従来報告されているMBDの臨床像と一致していた.一方, 発症時に意識障害を呈さない例が2例みられた.これは, 発症時の意識障害の存在が必ずしもMBDの診断に必須ではないことを示している.また, 2例では肢位の異常, 固縮などの錐体外路症状がみられ, そのうちの1例ではMRIで両側の被殻に病変が認められた.同様の症例の報告は過去に4例のみであるが, この症候もMBDの症候の1つとして注目される.慢性期には意識障害, 前頭葉症状は消失するが, 錐体路症状が構音障害, 半球間離断症候とともに長期にわたり持続することが示された.以上から, MBDの臨床像は急性期, 慢性期ともに従来考えられていたよりも多彩である可能性がある.従って, アルコール多飲者が急性の構音障害, 歩行障害, 痙攣などを呈し, 局所徴候が明らかでない場合には, MBDの可能性も考え, 画像検査で脳梁病変の有無を確認する必要があると思われた.
収録刊行物
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- 昭和医学会雑誌
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昭和医学会雑誌 68 (4), 232-237, 2008
昭和大学学士会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679810794496
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- NII論文ID
- 130001820523
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- NII書誌ID
- AN00117027
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- ISSN
- 21850976
- 00374342
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- NDL書誌ID
- 10224801
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可