乳癌と副腎褐色細胞腫を合併した神経線維腫症1型の1例

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タイトル別名
  • A case of breast cancer and pheochromocytoma associated with neurofibromatosis type 1

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抄録

神経線維腫症1型(以下;NF1)は常染色体優性遺伝性の疾患で,悪性腫瘍との合併がしばしばみられるが,多くが非上皮性腫瘍で上皮性腫瘍との合併は比較的少ない.今回われわれは,NF1に乳癌と副腎褐色細胞腫を合併したまれな症例を経験した.症例は48歳の女性で,左乳房の痛みを主訴に当科外来を受診された.左乳房D領域に2.1cm大の腫瘤を認め,全身にカフェ・オ・レ斑と,柔らかい皮膚の小結節を認めた.穿刺吸引細胞診で左乳癌と診断した.術前精査のために行った腹部CTで左副腎に腫瘤陰影を認め,内分泌学的検査および131-I-MIBGシンチグラフィで副腎褐色細胞腫の診断となった.乳癌の手術に先立ち,腹腔鏡下左副腎摘出術を行い,3週後に左乳房全摘,腋窩郭清を施行した.これまでの本邦報告例2例を含め,文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (18)*注記

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