肛門括約筋機能不全における肛門管超音波検査での再現性と有用性

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  • Reproducible Study for Endoanal Ultrasound for Patients with Anal Sphincter Insufficiency

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肛門管超音波検査は低侵襲,簡便という利点を有するが,所見の再現性が議論されることもある.肛門管超音波検査による肛門括約筋所見の再現性と有用性を明らかにする目的で,肛門管超音波所見をレトロスペクティブに再評価し,所見の有無で肛門内圧に差がないか検討した.対象は肛門管超音波と肛門内圧検査を施行された女性患者33例.4人の技師が超音波画像を再評価し,肛門括約筋の同定,途絶有無,厚不整有無を再現性という観点から評価した.内肛門括約筋の同定率は100%で,途絶所見の再現率は76%,厚不整所見の再現率は61%であった.一方外肛門括約筋の同定率は61%であり,途絶所見の再現率は42%でいずれも途絶なしの所見であった.再現性が得られた内肛門括約筋の途絶ありは,なしと比べ肛門管最大静止圧(MRP),肛門管随意収縮圧(MSP)は有意に低下していた(P=0.04と<0.01).また厚不整ありは,なしと比べMRPが有意に低下していた(P=0.03).肛門管超音波検査による内肛門括約筋所見は括約筋機能不全を予知しえる所見と推測された.

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