腹腔鏡下胃全摘術を施行した肝内外門脈走行異常を伴った胃癌の1例

  • 藏田 能裕
    千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
  • 羽成 直行
    千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
  • 早野 康一
    千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
  • 加野 将之
    千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
  • 林 秀樹
    千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学 千葉大学フロンティア医工学センター
  • 松原 久裕
    千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Gastric Cancer with an Intra- and Extra-Hepatic Portal Vein Anomaly Performed Laparoscopic Total Gastrectomy
  • 症例 腹腔鏡下胃全摘術を施行した肝内外門脈走行異常を伴った胃癌の1例
  • ショウレイ フククウキョウ カ イ ゼンテキジュツ オ シコウ シタ カン ナイガイ モンミャク ソウコウ イジョウ オ トモナッタ イガン ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

症例は75歳の男性.前医で早期胃癌に対してESDを施行され,追加切除目的に当科に紹介となった.術前の造影CTで門脈の走行異常を認めた.門脈本幹の他に,左胃静脈が右胃静脈を介してもう一本の門脈を形成し,これが尾状葉・左葉・後区域に流入していた.肝動脈は動脈硬化による狭小化を認めたため,この門脈を温存して手術を行う方針とした.<BR>全身麻酔下に腹腔鏡下胃全摘術を施行した.右胃静脈から左胃静脈に向けて剥離を進め,全長にわたって温存した.<BR>術後は肝胆道系酵素の上昇を認めたが,術後第10病日に退院となった.<BR>門脈の走行異常は過去に若干の文献的報告を認めるのみで,非常に稀である.自験例のような門脈走行異常の報告例は過去には見られず,術前のMulti Detector-row CT (MDCT)による画像診断が血管の走行を把握する上で有用であった.

収録刊行物

参考文献 (7)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ