胸腔内胸壁型脂肪腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of a Growing Intrathoracic Chest Wall Type Lipoma
  • 症例 胸腔内胸壁型脂肪腫の1例
  • ショウレイ キョウコウ ナイ キョウヘキガタ シボウ シュ ノ 1レイ

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抄録

67歳,男性.胸部単純X線写真にて増大傾向のある腫瘤性陰影を指摘され,当院へ紹介となった.胸部CTでは,左前側胸壁に胸腔内へ突出する13×6cm大の辺縁平滑な脂肪濃度腫瘤を認めた.MRIでは,腫瘤は皮下脂肪と同等な信号域を呈し,造影効果はなく内部は一部不均一であった.画像上は良性の胸腔内脂肪腫と診断したが,脂肪肉腫の可能性が否定できないため,診断治療目的に胸腔鏡補助下腫瘍摘出術を行った.腫瘍は壁側胸膜を発生母地とする有茎性腫瘍であり,摘出標本の病理組織診断により脂肪腫と診断した.胸腔内脂肪腫はまれな腫瘍であり,臨床的には脂肪肉腫との鑑別が問題となり,切除によって確定診断されることが多い.今回,増大傾向を示した胸腔内脂肪腫の1切除例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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