食後血糖改善薬アカルボースの食後脂質代謝におよぼす影響―テストミールAを用いた検討―

  • 小林 一貴
    千葉大学大学院医学研究院地域災害医療学寄附講座 千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学
  • 竹本 稔
    千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学
  • 石川 崇広
    千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学
  • 岡部 恵見子
    千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学
  • 大西 俊一郎
    千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学
  • 栗林 伸一
    三咲内科クリニック

書誌事項

タイトル別名
  • An Analysis of the Effect of Acarbose, A Postprandial Glucose-lowering Agent, on Postprandial Lipid Profiles after the Ingestion of A Test Meal A
  • 診断・治療(食事・運動・薬物) 食後血糖改善薬アカルボースの食後脂質代謝におよぼす影響 : テストミールAを用いた検討
  • シンダン ・ チリョウ(ショクジ ・ ウンドウ ・ ヤクブツ) ショクゴ ケットウ カイゼンヤク アカルボース ノ ショクゴ シシツ タイシャ ニ オヨボス エイキョウ : テストミール A オ モチイタ ケントウ

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抄録

糖尿病では,主にトリグリセリド(TG)の上昇を特徴とし,食後高血糖と同様に心血管イベントと関連する食後高脂血症を呈する.我々は食後血糖改善薬アカルボースが,食後脂質代謝におよぼす影響を検討した.食後高血糖を主な病態とする2型糖尿病患者20名にアカルボース300 mg/日を3ヶ月間投与し,その前後でテストミールAによる食事負荷2時間後の各代謝指標等を評価すると,体重,HbA1cおよび食後TGが有意に低下していた.また薬剤投与前の食後TGと,3か月間投与による食後TGおよび食後アポ蛋白B48(ApoB48)の変化量が有意な負の相関を示した.さらに薬剤投与前の食後TG≧150 mg/dlであった13名については,食後ApoB48がアカルボースにより有意に低下していた.本研究からアカルボースの食後高TG血症に対する改善作用が示され,その機序として食事由来のカイロミクロンの減少効果が示唆された.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 58 (6), 381-387, 2015

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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