<b>クロミフェン無効な多嚢胞性卵巣症候群に対し,柴苓湯の併用療法が奏効した6症例の検討</b>

  • 中山 毅
    JA 静岡厚生連静岡厚生病院産婦人科

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Study on Six Cases of Infertile Women with Clomiphene-Resistant </b><b>Polycystic Ovary Syndrome Successfully Treated </b><b>with Concomitant Saireito Therapy </b>
  • 臨床報告 クロミフェン無効な多嚢胞性卵巣症候群に対し,柴苓湯の併用療法が奏効した6症例の検討
  • リンショウ ホウコク クロミフェン ムコウ ナ タノウホウセイ ランソウ ショウコウグン ニ タイシ,サイレイトウ ノ ヘイヨウ リョウホウ ガ ソウコウ シタ 6 ショウレイ ノ ケントウ

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説明

多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)は生殖年齢女性の5-8%に発症し,月経異常や不妊症などの主要な原因の一つである。PCOS の治療は受診年齢や背景,特に挙児希望の有無により異なる。挙児希望のある女性のPCOS に対する治療の第一選択はクロミフェン療法である。ただし抗エストロゲン作用に伴う,子宮内膜の菲薄化や頸管粘液の減少も伴うことや,クロミフェン療法が無効な患者もいる。そこでクロミフェン療法が無効なPCOS 患者に柴苓湯を併用し,排卵周期が回復した6症例を経験した。柴苓湯が有効であった症例の多くは,東洋医学的に瘀血や水滞スコア値が高く,また投与後の血中LH 値,LH/FSH 比が無効群よりも低下した。さらに柴苓湯有効群はテストストロン値もより低下していた。ゴナドトロピン療法や腹腔鏡手術などの第2選択が行われる前に,証に応じて試みる価値があると推察した。

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