寒冷凝集素症患者に対し安全に腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行しえた1例

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タイトル別名
  • Laparoscopic Cholecystectomy Safely Performed for a Patient with Cold Agglutinin Disease

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説明

症例は75歳の男性で,54歳時に溶血発作を発症し特発性寒冷凝集素症(cold agglutinin disease;以下,CAD)と診断され,以後プレドニゾロン,アザチオプリンによる内服治療を継続している.2008年6月に総胆管結石治療後の胆嚢摘出術施行目的で入院となった.CADは赤血球表面抗原に対する自己抗体の作用で,寒冷により溶血発作や血栓性合併症が引き起こされる自己免疫性疾患であり,体温低下を招きやすい外科手術では十分な注意が必要である.本症例では,CADの急性増悪時の治療の文献や,術中体温管理・輸血準備の文献などを参考に,術前からの寒冷凝集素症の治療,寒冷の回避,症例に応じた血漿交換,エリスロポエチン製剤の使用,準備血液のクロスマッチによる最善の候補血液の確保,手術室での体温保持などを準備し,血漿交換以外の対策を行い無事に手術を施行しえたので,CAD患者に対する手術時の周術期管理法もまとめて報告を行う.

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