脊柱管内病変を伴うSchwannomatosisの3例

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  • Schwannomatosis with Intraspinal Lesion: A Report of Three Cases

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抄録

今回,脊柱管内病変を伴う schwannomatosis 3例を報告した.症例1. 44歳の男性.縦隔腫瘍を指摘され摘出術を施行された.神経鞘腫であった.その後,C7/Th1の頚髄腫瘍を指摘され,当科にて摘出術施行.神経鞘腫であった.症例2. 34歳の男性.腰痛と右大腿部しびれ感にて受診された.33歳時に右大腿部の神経鞘腫を摘出されている.MRI にて Th12/L1の脊髄腫瘍を認めた為,摘出術を施行した.神経鞘腫であった.症例3. 36歳の女性.19歳から32歳時までに背部と右下腿の神経鞘腫の摘出術を施行されている.腰痛と右臀部痛にて受診された.MRI にて4箇所に馬尾腫瘍を認めた.5×5mm の腫瘍は症状に関与していないと判断し初回手術では摘出しなかった.術後1年での MRI にて初回手術で摘出しなかった腫瘍が2倍以上に増大していた.摘出術を施行した.症状は軽快した.すべて神経鞘腫であった.多発性の神経原性腫瘍を認めた場合,NF1や NF2,schwannomatosis を念頭に置き局所病変だけでなく脊柱管内を含めた全身検索が必要である.また腫瘍が急速に増大する場合があり,特に脊柱管内病変では MRI による経時的観察が必要である.我々は症状をきたさないサイズでも摘出すべきと考えられた症例を経験した.

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