野鳥の雛に皮下寄生する日本新記録の Trypocalliphora braueri Hendel ヤドリトリキンバエ(新称)について

書誌事項

タイトル別名
  • A subcutaneous bird-parasitic blowfly of the genus Trypocalliphora Peus newly recorded from Japan (Diptera : Calliphoridae)
  • 野鳥の雛に皮下寄生する日本新記録のTrypocalliphora braueri Hendelヤドリトリキンバエ(新称)について〔英文〕
  • ヤチョウ ノ ヒナ ニ ヒカ キセイスル ニホン シンキロク ノ Trypoc

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抄録

1987年7月, 北海道・糠平でアオジの雛の皮下に寄生しているクロバエ科幼虫2匹を見いだした。この幼虫を摘出し, 蛹化・羽化させ, 成虫を調べたところ日本未記録のTrypocalliphora braueri (Hendel, 1901)であることが判明した。本種は, ヨーロッパ, ソ連, 北米に生息し, 極東地域ではウラジオストック周辺から記録されている。2匹の幼虫は, 頭部の皮下に寄生し, 老熟幼虫になると患部は腫瘍状に腫れあがり, 潜入部位は直径約3mm, 深さ11mmであった。幼虫は, 除去後2日で蛹化し, 蛹化後8日目に羽化した(室温22∿25℃)。本種は, 外国では燕雀類の雛に寄生し, とくに地上に営巣する種を好むことが知られている。アオジは, 本種の新宿主として記録される。和名をヤドリトリキンバエ(新称)とした。

収録刊行物

  • 衛生動物

    衛生動物 39 (3), 267-270, 1988

    日本衛生動物学会

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