成人発症リポイドネフローゼにおけるアレルギー因子の関与の検討 : 特にダニ抗原の関与について

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  • INVOLVEMENT OF ALLERGIC MECHANISM IN MINIMAL CHANGE NEPHROTIC SYNDROME (MCNS)

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抄録

成人発症のMCNS (minimal change nephrotic syndrome) を対象 (17症例) に, アレルギー因子の関与について血中IgE値及びH.D. 1, H.D. 2, D.f. 及びD. p.のRAST scoreに基づいて検討を行った. 17症例中3症例でアレルギー歴を有していた. 治療前で平均の血中IgE値は877IU/mlを示した. MCNS発症時7症例で高IgE血症を認めていた. 全症例, 副腎皮質ステロイドホルモンにて治療を行い, 一部に免疫抑制剤を用いた. 治療後, 全症例寛解に入った. 治療に伴い寛解期には上記7症例中4症例でIgE値が正常範囲に移行した. RAST scoreを測定した7症例中, 発症時D.p. 及びD.f. に対する3症例において陽性であったが, 寛解期にはそのうち2症例が陰性に移行した. 17症例中5症例で再発を認め, 5症例全例で高IgE血症を示した. D.p.に対してはRAST scoreが検討できた4症例中2症例で陽性を示した. 以上の結果から, MCNS発症においてアレルギーの関与が考えられ, 特に, ヤケヒョウダニ, コナヒョウダニの抗原がMCNS発症に関わっていることが示唆された.

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 41 (10), 1492-1499, 1992

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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