嚥下補助食品摂取が食品の口腔内残留量に及ぼす影響

  • 吉岡 昌美
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健福祉学分野
  • 中江 弘美
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健衛生学分野
  • 一宮 斉子
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健衛生学分野
  • 天羽 崇
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健衛生学分野
  • 高橋 侑子
    徳島大学病院診療支援部
  • 十川 悠香
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健衛生学分野 徳島大学病院診療支援部
  • 日野出 大輔
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部口腔保健衛生学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Taking Supplementary Food for Swallowing on the Intraoral Food Residue
  • エンカ ホジョ ショクヒン セッシュ ガ ショクヒン ノ コウコウ ナイ ザンリュウリョウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p> 近年,水分補給のためのゼリー状食品やとろみ剤などの嚥下補助食品が高齢者に広く利用されるようになってきた.そこで本研究では,これらの嚥下補助食品の摂取が口腔衛生状態にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とした.</p><p> 嚥下障害のない健常成人13名を被験者とし,クッキー,ゼリー状食品,とろみ剤で調整した水を単独あるいは2種類の組み合わせで摂取してもらった後,3 ml の水で洗口したときの吐出液の濁度を測定し食品の口腔内残留量を評価した.摂取の際には口に含む量,時間,嚥下回数,咀嚼の有無等に制限を加え,咀嚼嚥下が十分でない状況を設定した.その結果,クッキーの後にゼリー状食品やとろみ調整水を摂取すると,クッキーの口腔内残留が有意に減少することが示された.さらに,ゼリー状食品の一つを被検食品として咀嚼の有無や摂取量,摂取回数等の影響を調べたところ,咀嚼して食べると口腔内残留量が大幅に減少することが明らかとなった.以上のことから,口腔内残留の多い嚥下障害者の食事の最後にゼリー状食品やとろみ調整水を咀嚼して摂取することが口腔衛生状態の改善,さらには口腔内残留による誤嚥の予防につながる可能性が示唆された.加えてこのような食品による口腔清掃作用の効果を最大限に発揮するためには,食品の物性のみならず食べ方についても考慮する必要があることが示唆された.</p>

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