<i>Mycobacterium fortuitum</i>を対象としたZiehl-Neelsen染色法と蛍光染色法における抗酸性の比較検討

  • 吉田 志緒美
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター
  • 露口 一成
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター
  • 鈴木 克洋
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター内科
  • 富田 元久
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター研究検査科
  • 岡田 全司
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター
  • 林 清二
    独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター内科
  • 有川 健太郎
    神戸市環境保健研究所
  • 岩本 朋忠
    神戸市環境保健研究所

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE EVALUATION OF ACID-FAST STAINING FOR THE DETECTION OF <i>MYCOBACTERIUM FORTUITUM</i>
  • Mycobacterium fortuitumを対象としたZiehl-Neelsen染色法と蛍光染色法における抗酸性の比較検討
  • Mycobacterium fortuitum オ タイショウ ト シタ Ziehl-Neelsen センショクホウ ト ケイコウ センショクホウ ニ オケル コウサンセイ ノ ヒカク ケントウ
  • ─ Clinical Performance of Fluorescent and Ziehl-Neelsen Staining ─

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抄録

<p>〔目的〕Mycobacterium fortuitumを被験対象とした場合のZiehl-Neelsen染色法(ZN法)と蛍光染色法(蛍光法)の染色性の比較検討。〔方法〕2007年1月~2012年3月の期間中,NHO近畿中央胸部疾患センターにてMGIT培養で陽性となり,DDHにてM.fortuitumと同定された菌液42株と標準菌株を対象に,蛍光法であるauramine-rhodamine染色法(AR法)並びにacridine-orange染色法(AO法)とZN法の染色所見を比較した。さらに各菌株に対し16S-23S rDNA internal transcribed spacer(ITS)領域における遺伝子と16S rRNA遺伝子の部分配列シークエンスを実施し,相同性検索を行った。〔結果〕ZN法にてすべての株は良好な染色性を確認できた。AR法は16株(38.1%)に良好な染色性を認めていたのに対し,残り26株(61.9%)と標準菌株では蛍光法でほとんど染まっていないか,まだら模様の染色像であり,AO法もやや劣るがAR法と同程度の結果であった。ITSシークエンス解析では35株(83.3%)がM.fortuitum subsp. acetamidolyticumの遺伝子と100%一致したが,7株は同定不能であった。しかし16S rRNA遺伝子シークエンスにてM.fortuitum近縁の迅速発育菌と同定できた。遺伝子型と蛍光法の染色性との間における相関性は乏しかった。〔考察〕DDHでM.fortuitumと同定された菌体に対して蛍光法を用いた場合,検出が困難となるケースが半数以上存在する結果となり,同菌の分離頻度が過小評価される可能性が考えられた。特に,培養菌液からの菌体確認には蛍光法よりもZN法を用いることと,培養性状による同定(発育速度,温度,コロニー形状)の徹底を提唱したい。</p>

収録刊行物

  • 結核

    結核 88 (5), 461-467, 2013

    一般社団法人 日本結核病学会

参考文献 (19)*注記

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