耳下腺癌50例の臨床的検討

  • 上田 哲平
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 鵜久森 徹
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 富所 雄一
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 山田 啓之
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 脇坂 浩之
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科 愛媛県立医療技術大学
  • 暁 清文
    愛媛大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Retrospective Study on Parotid Carcinoma
  • ジカセンガン 50レイ ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

耳下腺癌症例に対する治療成績を明らかにし, 臨床病理学的検討を行った.<br> 1987年1月から2011年11月の間に当科で初回治療を施行した耳下腺癌50例につき検討した. 内訳は男性36例, 女性14例で, 年齢中央値は57歳 (16~83歳) であった. TNM 分類は, T1/2/3/4=4/11/9/26例, N0/1/2=36/3/11例, M0/1=46/4例で, 臨床病期は stage I/II/III/IV=4/10/7/29例であった. 病理組織型は粘表皮癌が16例 (32%) と最多であり, 悪性度分類では高悪性度群が26例 (52%) と半数以上を占めた.<br> 根治手術例42例での5年粗生存率は72.1%, 5年疾患特異的生存率は74.0%であった. 再発を12例に認め, 初回再発部位の内訳は局所2例, 頸部リンパ節3例, 遠隔5例, 頸部リンパ節と遠隔が2例であった. 50例全体での死因の内訳は局所死11例, 頸部リンパ節転移死3例, 遠隔転移死3例, 他癌死1例, 他病死1例で, 生存が31例であった. 単変量解析による予後不良因子はT4, N (+), stage IV, 顔面神経麻痺, 高悪性, 腫瘍径4cm以上であった.<br> 予後の改善のためには予後不良症例に対しての術後治療を考慮する必要があると考えられた. また遠隔転移の制御も課題であると考えられた.

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参考文献 (12)*注記

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