女性ホルモン異常による低音化音声障害に対する甲状軟骨形成術4型

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タイトル別名
  • Pitch Elevation Surgery for Menopausal Voice Disorder
  • ジョセイ ホルモン イジョウ ニ ヨル テイオンカ オンセイ ショウガイ ニ タイスル コウジョウナンコツケイセイジュツ 4ガタ

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説明

甲状軟骨形成術4型(4型)は声帯の緊張を高め,話声位(SFF)のピッチを上昇させる術式である。片側声帯麻痺症例に対し披裂軟骨内転術や甲状軟骨形成術1型に併施されることが多いが,ピッチ上昇を目的に単独で施行されることもある。今回われわれは,女性ホルモン異常によりSFFの低下をきたした2症例に4型を施行し良好な結果が得られたので報告する。<br>症例1·72歳女性・接客業:数年前から女性ホルモン低下をきたし,4年前からホルモン補充療法(HRT)を受けていた。更年期症状は良くなったが,SFFは徐々に低下し相手に伝わらず日常生活に支障をきたし,SFFの上昇目的に紹介され受診した。初診時のSFF 186.1 Hz,最低音157.8 Hzであった。<br>症例2·50歳女性・介護職:2年前からSFFが徐々に低下した。それにつれて仕事に不都合が生じるようになった。同時期より更年期障害の診断にてHRTを開始した。更年期症状は改善したが,声は良くならず,SFFの上昇を希望し受診した。初診時のSFF 178.3 Hz,最低音130.8 Hzであった。<br>両症例ともに局所麻酔下に4型を施行した。術中より解析ソフトを用いSFFを測定し,患者の満足するピッチに調節した。術後のSFFは症例1:323.7 Hzに,症例2:251.1 Hzに上昇した。女性ホルモン異常による低音化音声障害には4型は有用な術式であった。

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