書誌事項
- タイトル別名
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- Eosinophilic Leukemia with Cyclic Eosinophilic Leukocytosis
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説明
36歳の男性で貧血,白血球数および好酸球増多,肝脾腫で入院。末梢血ではHb 7.1 g/dl, Plt 6.8×104/μlと低値を示し,白血球数は53,700/μlと著増し,好酸性顆粒の分布異常,細胞質内に空胞を認め核が分葉傾向を示す好酸球が32.0%と増加しており,IgE低値,ビタミンB12高値より好酸球性白血病と診断した。染色体は46, XYと正常でbcr遺伝子の再構成もみられなかった。さらに,この症例では末梢血の白血球数が周期的に増減を繰り返しながら増加傾向を示した。この周期性白血球増加の機序を調べるために,正常人骨髄細胞に好酸球増加期と減少期の患者血清および血漿を加えてコロニーアッセイを行ったがコロニー形成刺激因子は証明されなかった。また,患者骨髄を用いたコロニーアッセイではG-CSF, CM-CSF, IL-5を添加してもコロニーの形成がみられず,患者骨髄細胞の異常が示唆された。
収録刊行物
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- 臨床血液
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臨床血液 33 (12), 1884-1889, 1992
一般社団法人 日本血液学会