再生不良性貧血における骨髄低形成成立過程の形態的観察

書誌事項

タイトル別名
  • Morphological Observation of a Process of Bone Marrow Hypoplastic Formation in a Case of Aplastic Anemia
  • サイセイ フリョウセイ ヒンケツ ニ オケル コツズイ テイ ケイセイ セイリ

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抄録

肝炎後再生不良性貧血の1症例について,発症初期から骨髄低形成成立までの骨髄形態変化を解析した。本例では末梢汎血球減少出現後およそ3週間は骨髄平均細胞密度が正常より高く,顆粒球系細胞はすでに低下していたが赤芽球系細胞と巨核球は著明に増加していたことから,病初期には無効血球産生状態が存在した可能性が強く推測された。また過形成から低形成への移行期には骨髄平均細胞密度は高いままであったが,過形成,正形成および低形成の部分が混在して存在し,骨髄低形成への移行は巣状に進行していったものと考えられた。さらにrhG-CSF投与に対する骨髄顆粒球系細胞の反応態度から,骨髄過形成期および低形成への移行期には同因子に反応しうるクローンが残存していたものと判断された。同様の骨髄形態変化をたどり骨髄低形成となった他の1症例を経験したことから,本症成立過程の少なくとも一部にはかかる様式があるものと推測される。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 36 (10), 1157-1162, 1995

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (4)*注記

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