リプログラミング技術を用いた骨髄異形成症候群の腫瘍内遺伝的・機能的多様性の解明

  • 蝶名林 和久
    京都大学iPS細胞研究所 未来生命科学開拓部門 京都大学医学研究科 血液・腫瘍内科
  • 吉田 善紀
    京都大学iPS細胞研究所 未来生命科学開拓部門
  • 高折 晃史
    京都大学医学研究科 血液・腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • Reprogramming technology reveals genetic and functional diversity of subclones in myelodysplastic syndromes
  • 第77回日本血液学会学術集会 学会奨励賞受賞論文 リプログラミング技術を用いた骨髄異形成症候群の腫瘍内遺伝的・機能的多様性の解明
  • ダイ77カイ ニホン ケツエキ ガッカイ ガクジュツ シュウカイ ガッカイ ショウレイショウ ジュショウ ロンブン リプログラミング ギジュツ オ モチイタ コツズイイケイセイ ショウコウグン ノ シュヨウ ナイ イデンテキ ・ キノウテキ タヨウセイ ノ カイメイ

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抄録

<p>予後不良のクローン性造血障害である骨髄異形成症候群(MDS)には病態を再現し解析する疾患モデルが少なく,新規治療法を開発するためのツールが殆どないのが現状である。近年,次世代シークエンサーを用いたMDSの網羅的ゲノム解析によりde novo急性骨髄性白血病(AML)とは異なる遺伝子異常が次々に発見されたが,遺伝子異常と病態との関連についてはまだ不明な点が多い。我々はMDSおよびMDSから移行したsecondary AML(MDS/sAML)症例から複数のiPS細胞(MDS-iPS細胞)の樹立に成功した。MDS-iPS細胞から再分化した造血前駆細胞には,病期特異的に分化成熟障害が見られた。MDS-iPS細胞は,MDSの腫瘍内多様性および発症・進展機構の解明に大きく貢献できると予想され,同時に創薬スクリーニングにおいて強力なツールになることが期待できる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (7), 787-791, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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