造血細胞移植におけるHLAの基礎知識

  • 一戸 辰夫
    広島大学病院 血液内科 広島大学原爆放射線医科学研究所 血液・腫瘍内科研究分野

書誌事項

タイトル別名
  • Basic understanding of the HLA system in allogeneic hematopoietic cell transplantation
  • ゾウケツ サイボウ イショク ニ オケル HLA ノ キソ チシキ

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説明

HLAシステムは個体の免疫応答の特徴を決定するきわめて多型性に富んだ分子集団であり,その構造は第6染色体短腕に存在するHLA領域の遺伝子群によって決定されている。典型的なHLAクラスI分子・クラスII分子はT細胞への抗原提示を行うとともに,NK細胞の機能制御にも重要な役割を果たしており,造血細胞移植では,レシピエントとドナーの間におけるこれらの分子の適合性が,生着不全・移植片対宿主病などの免疫学的合併症のリスクや移植片対腫瘍効果の発現に関与する。一方,多型性の乏しいHLA関連分子群として,非典型的クラスI分子・非典型的クラスII分子が知られているが,それらの造血細胞移植における役割の解明は今後の課題である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (10), 2134-2143, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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