<I>Helicobacter pylori</I>が産生するウレアーゼの免疫学的特異性とラテックス凝集反応による本菌の同定

書誌事項

タイトル別名
  • Immunological Specificity of Helicobacter pylori Urease and Identification by Immunological Detection of Its Specific Urease
  • Helicobacter pyloriが産生するウレアーゼの免疫学的特異性とラテックス凝集反応による本菌の同定〔英文〕
  • Helicobacter pylori ガ サンセイスル ウレアーゼ ノ メン

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抄録

Helicobacter pyloriのウレアーゼを免疫学的な手段により検出する方法を開発するため, 本菌のウレアーゼの精製を行った.H.Pylori NCTC11638株の菌体をフレンチプレスで破壊し, 菌体成分を除去した上清液から, 各種のクロマトグラフィーにより精製したウレアーゼはpolyacrylamide gel disc electrophoresisにより単一なバンドが得られた.さらに精製したウレアーゼを家兎に免疫して作成した抗ウレアーゼ血清はH.pyloriのウレアーゼと反応し, Yersinia enterocoliticaのウレアーゼとは反応しなかった.本抗血清からアフィニティークロマトグラフィーによりIgG画分を精製し, ラテックス粒子に感作させた.本感作ラテックスはH.pyloriの精製ウレアーゼおよび.H.pylori 55菌株のウレアーゼと明瞭に凝集反応したが, H.mustelaeのウレアーゼとは反応しなかったし, ウレアーゼを産生する“Carnpylobacter lari variants”とも反応しなかった.さらに本感作ラテックスはProteus mirabilis, P.vulgariS, P.rettgeri, Y.enterocoliticaのそれぞれのウレアーゼとも反応しなかった.著者らはH.pyloriの産生するウレアーゼの免疫学的な特異性を指摘するとともに, ラテックス凝集反応によりH.pyloriを簡易に同定できることを明らかにした.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 67 (11), 1076-1082, 1993

    一般社団法人 日本感染症学会

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