本邦における小児細菌性髄膜炎の動向 (2005~2006)

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タイトル別名
  • Childhood Bacterial Meningitis Trends in Japan from 2005 to 2006
  • ホンポウ ニ オケル ショウニ サイキンセイ ズイマクエン ノ ドウコウ 2005 2006

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抄録

2005年1月から2006年12月迄の2年間に96施設から小児細菌性髄膜炎246症例 (男児138, 女児108) が報告された.<BR>年齢別では28日以下が25例, 1カ月~12カ月が114例, 1歳以上は107例であった.原因菌はH.influenzaeが136例と最も多く, 次いでS.pneumoniae 48例, streptococcus agalactiae (GBS) 19例, Escherichia coli6例の順で, GBS, E.coliは低年齢での発症が多く, H.influenzaeは多くは4カ月~5歳に分布していた.S.pneumoniaeは3カ月~12歳に分布していた.H.influenzae, S.pneumoniaeともに耐性化が進み, H.influenzaeは2003年に70.4%, S.pneumoniaeは2004年に83.0%と耐性株が高い割合を占めていたが, 今回の調査では, H.influenzaeは2005年65.2%, 2006年59.3%, S.pneumoniaeは2005年71%, 2006年69.3%と若干減少の方向を示した.<BR>細菌性髄膜炎の初期治療に使用した抗菌薬の種類は, 4カ月未満では, 従来の標準的治療法とされているAmpicillin+セフェムならびにカルバペネム+β-lactamの2剤を併用した症例が多く, H.influenzaeS.pneumoniaeが原因細菌として多くなる4カ月以降に関しては, 耐性菌を考慮したカルバペネム+セフェムの併用が増加し, ampicillin+セフェムをはるかに上回る使用頻度であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 82 (3), 187-197, 2008

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (12)*注記

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参考文献 (19)*注記

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