下痢患者より検出された<I>Campylobacter jejuni</I>の生物型分類について

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タイトル別名
  • Biotyping of <I>Campylobacter jejuni</I> Isolated from Diarrheal Patients
  • 下痢患者より検出されたCampylobacter jejuniの生物型分類について
  • ゲリ カンジャ ヨリ ケンシュツサレタ Campylobacter jejun
  • Biotyping of Campylobacter jejuni Isolated from Diarrheal Patients

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抄録

下痢の主要な原因菌とされているCampylobacter jejuniの生物型別体系については現在までにいくつかの提案がなされている.それらのうちSkirrow & Benjamin (1980) 1) の型別体系は馬尿酸塩加水分解能と硫化水素産生能を基本とし, H6berら (1982) 2) は, 馬尿酸塩加水分解能, DNA加水分解能およびCharcol-yeast extract寒天での発育の有無を基本とした生物型別体系である.<BR>近年, Lior (1984) 3) は, 馬尿酸塩加水分解能, 迅速硫化水素産生能およびDNA加水分解能によって, C.jejuni, C.coli, C.laridisの新しい生物型別体系の提案をおこなった.<BR>そこで下痢患者から検出された307株のC.jejuniを供試し, Liorの方法による生物型分類を試み次の成績を得た.生物型1.178株 (58.0%), 生物型II.122株 (39.7%), 生物型III.3株 (1.0%), 生物型IV.4株 (1.3%) であり, 生物型1が最も多く検出され, 次に生物型IIであったが, 硫化水素産生性の生物型III, IVは極めて少なかった.<BR>この生物型別法は比較的容易に実施することができるため, Campylobacter感染症の疫学に有用と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 60 (4), 299-303, 1986

    一般社団法人 日本感染症学会

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