閉経後女性の頻尿・尿失禁に対するエストロゲン補充療法の臨床的検討

DOI PubMed 参考文献17件 オープンアクセス
  • 松本 成史
    近畿大学医学部泌尿器科学教室 現 近畿大学医学部堺病院泌尿器科
  • 杉山 高秀
    近畿大学医学部泌尿器科学教室
  • 花井 禎
    近畿大学医学部泌尿器科学教室 現 泉大津市立病院泌尿器科
  • 大西 規夫
    近畿大学医学部泌尿器科学教室
  • 朴 英哲
    近畿大学医学部泌尿器科学教室
  • 栗田 孝
    近畿大学医学部泌尿器科学教室

書誌事項

タイトル別名
  • A STUDY OF THE CLINICAL EFFECT OF ESTRADIOL TRANSDERMAL THERAPEUTIC SYSTEM ALONE ON POLLAKISURIA AND URINARY INCONTINENCE IN POSTMENOPAUSAL WOMAN
  • エストロゲン貼付剤単剤での検討

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説明

(目的) 更年期障害はその病因の一つとしてエストロゲンの欠乏が重要視されており, 多くの不定愁訴はエストロゲンを補充することにより改善する. 頻尿, 尿失禁の下部尿路症状を主訴とする閉経後女性にエストラジオール貼付療法の効果について検討した.<br>(対象と方法) 頻尿, 尿失禁を訴え, 明らかな泌尿器科的・神経学的異常を認めない閉経後女性10名 (54~83歳) を対象とした. 今回は, エストラジオール (エストラダーム TTS<sup>®</sup>2mg, 隔日投与) 貼付療法単独で検討を行い, 効果判定は投与前と8週間にわたる投薬終了時における自覚症状の変化を中心に行った. 本研究はコントロールをおかず, 非盲検法にて検討した.<br>(結果) 尿失禁症例は7例で, その結果は尿失禁重症度分類では, 全例 grade down を示し, 尿失禁治療効果判定では“著効”3例,“改善”2例,“やや改善”1例,“不変”1例であった. 頻尿症例は3例で, 全例不変であった.<br>(結論) 今回の研究は, 症例数も10例と少なく, また短期投与の結果だけで, 明確な有効性を示すことは困難だが, 閉経後女性の尿失禁に対して十分有効と思われた. 特に今回用いたエストラダーム貼布剤によるエストロゲン補充療法は, 副作用も少なく, かつ簡便であった. 今後本邦でも欧米並にエストロゲン補充療法が広く用いられることを期待したい.

収録刊行物

参考文献 (17)*注記

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