前立腺肥大によるα1アドレナリン受容体拮抗薬単独療法抵抗性の急性尿閉症例に対するデュタステリド併用療法の検討

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL OUTCOMES AFTER COMBINED THERAPY WITH DUTASTERIDE IN PATIENTS WITH UNSUCCESSFUL TRIAL WITHOUT CATHETER AFTER TREATMENT WITH AN ALPHA1-ADRENERGIC RECEPTOR BLOCKER MONOTHERAPY FOR ACUTE URINARY RETENTION CAUSED BY PROSTATIC HYPERPLASIA
  • ゼンリツセン ヒダイ ニ ヨル a1 アドレナリン ジュヨウタイ キッコウヤク タンドク リョウホウ テイコウセイ ノ キュウセイ ニョウヘイショウレイ ニ タイスル デュタステリド ヘイヨウ リョウホウ ノ ケントウ

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抄録

(目的) 前立腺肥大症による尿閉患者に対して,α1アドレナリン受容体拮抗薬にデュタステリドを併用することで尿閉離脱率が増えるかの検討は未だ無い.我々はα1アドレナリン受容体拮抗薬を内服していても急性尿閉から離脱できない前立腺肥大症症例における,デュタステリド併用療法の効果を検討した. (方法) 前立腺肥大のある急性尿閉の症例に対して,尿道カテーテル留置療法を開始すると同時に,α1アドレナリン受容体拮抗薬を2週間以上内服させても尿閉から離脱できず,手術が不適当な症例においてデュタステリド(アボルブ0.5 mg/日)内服併用療法を開始した急性尿閉患者52例を対象とした.自尿100 ml以上かつ残尿100 ml以下になった症例をデュタステリド併用効果ありと判定し,効果を予想する因子を検討した. (結果) α1アドレナリン受容体拮抗薬単独療法では急性尿閉から離脱できなかった52人の症例において,デュタステリド併用療法により,33人(63.5%)の症例が尿閉から離脱できた.尿閉から離脱できた症例は,全て併用療法から7カ月以内だった.Performance status(PS)が0~1の患者の尿閉離脱率は78%であり,PS 2~4の患者の尿閉離脱率40%より有意に良好な結果だった. (結語) デュタステリド併用療法はPSが1以下の尿閉症例において,特に有益な治療と思われた.

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